現役ダーツプロ&ダーツバー店員の「なよ」です。
本記事では、ダーツのテイクバックについて解説します。
テイクバックって何?
テイクバックのコツを教えて!
テイクバックがスムーズにできない…
これらのお悩みを解決します。
テイクバックとは、ダーツを投げる前に腕を引く動作のことを指します。
テイクバックは、ダーツを投げる動作の始まりです。
そのため、テイクバックが上手くいかないと、その後のスローが安定しません。
本記事では、ダーツが上手くなる最新のテイクバック極意をお伝えします。
他の記事では読めない、体の原理に沿って解説を行いました。
詳しいプロフィール
- ダーツ歴6年
- ダーツバー勤務2年
- ダーツプロライセンス所有
- ダーツライブマイスター所有
- 最高月間15万アクセスのダーツブログ「なよダーツ。」管理人
6年以上ダーツを投げてきて、ダーツのプロライセンスも所有している筆者が解説しますので、ぜひ参考にしてください。
テイクバックの基本は知っているから、自分にぴったりのテイクバックを提案して欲しい!
と言う人は、下記の「Aフライト育成講座」もチェックしてみてください。
ダーツのテイクバックとは?
テイクバックとは、ダーツを自分の体に引き寄せる動作のことです。
投げるための助走をつけるイメージですね。
ダーツスローの順番をおさらいすると以下のようになります。
ダーツを構える
ダーツを体側に引く
ダーツを投げる(ダーツから手が離れる)
ダーツが手から投げた後の手の動作
テイクバックは、ダーツスローの動き始めです。
これらのパーツは全て連動しています。
テイクバックが上手くいかないと、リリースやフォロースルーまで崩れます。
そのため、非常に大切な要素と言えるでしょう。
逆に、テイクバックが上手くいくと、リリースやフォロースルーも上手くいきやすくなります。
【本当は教えたくない】テイクバックのコツ
ここからは、テイクバックのコツをご紹介します。
体の原理に沿ったテイクバックのコツを紹介するので、実際に体を動かしながらやってみてください。
コツは全部で4つあります。
- テイクバックはゆっくり引く
- 肩に引くか・顔に引くか
- 肘固定は忘れましょう
- 意識は肘か・手首か
それぞれ解説していきます。
コツ1. テイクバックはゆっくり引く
一番重要なポイントは、テイクバックはゆっくりと引くと言うことです。
具体的にはどれくらいの速度かと言うと、「自分でコントロールできる速さ」です。
テイクバックが速いほど、反動をつけることができるので、ダーツを力強く飛ばすことができます。
一方で、速すぎるテイクバックは、コントロールが難しいです。
余計な力が入ったり、ダーツがブレやすくなります。
また、スローを分析する時も、速すぎるテイクバックは、どこがダメなのか分析が難しいです。
ダーツを投げるのに大きな力は必要ありません。
ゆっくりなテイクバックでも十分な力を出せますよ。
コツ2. 肩に引くか・顔に引くか
テイクバックを引いてくる位置は、人によって異なります。
大きく分けると、以下の2つのパターンがあります。
- 肩に引くパターン
- 顔に引くパターン
一般的には、肩に引く方がテクバックの距離がとりやすく、深いテイクバックが可能です。
顔に引くテイクバックは、距離が短く、浅いテクバックになりやすいです。
どちらが正解というわけではなく、人によって投げやすさは変わります。
どちらも試してみて、投げやすい方をチョイスしてみてください。
コツ3. 肘固定は忘れましょう
一昔前のダーツの教科書には、「肘は固定する」と必ず書いていました。
しかし、現代では、必ずしも肘を固定する必要はないと言われています。
そもそも、肘の動作は、セットアップの形によって全く変わります。
セットアップの肘の位置が高ければ、体が勝手に肘を下げるテイクバックをします。
逆に、セットアップの肘の位置が低ければ、体が勝手に肘を上げるテイクバックをします。
つまり、肘を固定すると言う話はナンセンスなのです。
肘固定は一度忘れて、投げることをオススメします!
コツ4. 意識は肘か手首か
肘を固定しないとなると、何を意識してテイクバックを行えば良いのでしょうか?
結論、肘の動きを意識するか、手首の動きを意識するかの2パターンに分かれます。
この2パターンにも正解はないので、投げやすいと感じる方を選んでください。
肘意識と手首意識を、さらに詳しく解説しますね。
肘意識
半数の人は、肘を意識するとダーツが投げやすいです。
肘を支点にするイメージで、扇形を描くようにテイクバックを行いましょう。
あくまでも肘の動きを意識です。肘を固定する必要はありません。
顔側にテイクバックを行う人は、肘を意識した方が投げやすいと感じる人が多いです。
手首意識
半数の人は、肘を意識しない方がダーツが投げやすいです。
肘の代わりに手首を意識するとダーツを投げやすく感じることができます。
手首を肩に近づけるイメージでテイクバックを行ってみてください。
一般的には、肩側にテイクバックを行う人は、手首を意識した方が投げやすいと感じる人が多いです。
テイクバックを構成する要素
ここまでテイクバックのコツを解説してきました。
ここからは、さらにマニアックなテイクバックの2つの要素について解説していきます。
テイクバックについてもっと知りたい!という人は目を通してみてください。
テイクバックの深さ
テイクバックの距離のことを、テイクバックの深さと表現します。
- 距離が長いほど、テイクバックが深い
- 距離が短いほど、テイクバックが浅い
ダーツ業界では、このように表現することが多いです。
テイクバックの深さについて、さらに詳しく解説します。
深いテイクバック
深いテイクバックのメリットは、力をタメやすく、軽い力でも楽にダーツを飛ばすことができる点です。
初めてダーツを投げる人のほとんどは、深いテイクバックで投げるので、人間の自然な動作と言えるでしょう。
弱点は、動作自体が大きいので、再現性を高めるのが難しい点です。
テイクバックを引いてくる位置を決めて、毎回同じ位置にテイクバッするのがオススメです。
テイクバックが深いプロ選手をご紹介します。
村松治樹選手
日本を代表するプロダーツプレーヤーで、長い間トップランカーとして君臨している超実力者です。
テイクバックは肩まで完全に引き切ることを意識しているそうです。
フィルテイラー選手
フィルテイラー選手はダーツの神様と呼ばれる伝説のプレーヤーです。
肩と顔の中間あたりに深く引いています。
マイケルスミス選手
世界のトップランカーとして活躍する、マイケルスミス選手。
テンポの良い攻撃的なダーツが特徴の選手であり、テイクバックも肩に引き切る深さが特徴的です。
浅いテイクバック・ノーテイクバック
浅いテイクバックのメリットは、テイクバックの距離が短いので再現性が高いことです。
ダーツを手から離すタイミングが分かりやすいので、リリースポイントが安定しやすくなる点も強みです。
しかし、ダーツに力を乗せて飛ばすのが難しく、初心者には難しいテイクバックだと言えます。
全身をうまく連動させて、体重移動を使ってダーツに力を乗せるのが大切です。
初心者の方は、まずは深いテイクバックで、ダーツに力を乗せる感覚をつかんでから挑戦するのが良いでしょう。
最近では、テイクバックをほとんど行わない「ノーテイクバック」を取り入れる選手も増えてきました。
そのため、浅いテイクバック=ノーテイクバックという意味で使われることが増えてきました。
ノーテイクバックのスローについて深掘りします。
ノーテイクバックは非常にピーキーなスローになりやすいです。
ノーテイクバックのスローを車で例えるなら、「あそび」のないハンドルです。
車のハンドルには「あそび」があり、少しハンドルが傾いても、タイヤが動くことはありませんよね。
深いテイクバック=あそびのあるハンドル
深いテイクバックは「あそび」のあるハンドルと言えます。
動作が多少狂ったとしても、テイクバックという「あそび」のおかげで、スローを調整して安定させることができます。
浅いテイクバック=あそびのないハンドル
ノーテイクバックは、「あそび」がないので、少しの動作の狂いがダイレクトにスローに影響します。
そのため、ノーテイクバックを使いこなすためには、ピーキーな性能を補うための工夫が必須です。
浅いてくバック・ノーテイクバックの代表的なプロを紹介します。
浅田斉吾選手
日本のトップランカーである、浅田選手はテイクバックが非常に浅く、ほぼノーテイクバックと言えるでしょう。
浅田選手は、ノーテイクバックのピーキーなスローの弱点を補うために、指のリズムを大切にしているそう。
指の中でリズムを作ることにより、リリースポイントを安定させて、スローを安定させています。
大城正樹選手
大城選手は、これぞノーテイクバック!と言う、特徴のスローですね。
ただし、大城選手は、あくまでも深いテイクバックの延長線でスローを考えているようです。
素振りをする時もテイクバックを意識して、手投げにならないように気をつけています。
ダリルガーニー選手
世界ランクも上位をキープしているガーニー選手も、浅いテイクバックが特徴的です。
海外選手には浅いテイクバックは珍しく、参照動画でもリポーターが驚いていました。
テイクバックのタメ
テイクバックの最下点では、誰しもが必ず「タメ」を作ります。
タメがあることにより、ダーツを力強く飛ばすことができるのです。
基本的には、ほとんど止まることなく、テイクバック→リリースとスムーズに投げるプレーヤーが多いです。
しかし、中には、テイクバック→(間)→リリースと言うリズムで投げているプレーヤーもいます。
レジェンドプレーヤー「ポールリム選手」は、テイクバックからリリースまでの「間」が、わかりやすいプレーヤーですね。
間をあけることで、テイクバックを引いてくる位置を安定させる効果があります。
また、ターゲットをもう一度、視認することもできます。
一方で、間をあけすぎると、スロー全体が連動性のない、ぶつ切りスローになる恐れもあります。
テイクバックの「間」は、ダーツスロー全体のリズムの問題です。
試行錯誤して、自分に合ったタメのタイミングを作ってみてください。
まとめ:ダーツのテイクバック
以上、今回はダーツのテイクバックについて解説しました。
テイクバックはリリースのための大切な予備動作です。
この記事の内容を踏まえつつ、自分のやりやすい方法を見つけてもらえればと思います。
最後に今回の記事の内容をまとめます。
- テイクバック=ダーツを体に引く動作
- テイクバックはゆっくり引くのがコツ
- 肩に引くか、顔に引くかは人によって違う
- 肘固定は忘れる
- 意識を肘に持つか、手首に持つか
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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