現役ダーツプロ&ダーツバー店員の「なよ」です。
本記事では、ダーツの「マスターアウト」「ダブルアウト」について解説します。
マスターアウト、ダブルアウトって何?
なぜ皆んなダブルでフィニッシュするの?
これらのルールはいつ使えば良いの?
これらの疑問を解決します。
実は、マスターアウトやダブルアウトは、知らないと「マナー違反」として恥をかく可能性があります。
僕も、ダーツを始めた頃は浅い理解で、周りに注意されたことがありました。
本記事を読めば、これらのルールを正しく理解して、どんな時に使えば良いか分かるようになります。
僕の6年以上のダーツ経験をもとに書いているので、ぜひ参考にしてくださいね。
詳しいプロフィール
- ダーツ歴6年
- ダーツバー勤務2年
- ダーツプロライセンス所有
- ダーツライブマイスター所有
- 最高月間15万アクセスのダーツブログ「なよダーツ。」管理人
ダーツの「マスターアウト」「ダブルアウト」について
マスターアウトとダブルアウトは、どちらも「ゼロワンゲーム」で使われるルールです。
ダーツの戦略にも大きく関わっており、対戦をする際には非常に重要なルールなのでしっかりと理解しましょう。
マスターアウトとは?
マスターアウトは、ゼロワンのフィニッシュはシングルで終わらせてはいけない、というルールです。
つまり、マスターアウト下では、最後の1投をブル、トリプル、ダブルのどれかに入れる必要があります。
- D9(9のダブル)
- T6(6のトリプル)
いずれかでフィニッシュする必要があります。
仮にS18(18のシングル)に入れた場合はバーストになります。
また、マスターアウトでは、ブルでフィニッシュするのもOK。
残り点数を50点に調整して、最後はブルで上がるという戦術が有効です。
ダブルアウトとは?
ダブルアウトは、ゼロワンのフィニッシュはダブルでしか上がれない、というルールです。
前述のマスターアウトより、さらに縛りがキツいですね。
D9(9のダブル)でのみフィニッシュができます。
ダブルアウトではブルが弱い
ダブルアウトでは、ブルは「セパレートブル」が適用されていることがほとんどです。
セパレートブルとは、ブルをインナーブルとアウターブルに分けて、それぞれ50点と25点にするルールです。
例えば、50点残りだった場合、インナーブルに入ればフィニッシュです。
アウターブルに入った場合は、25点残りで続行となります。
そのため、ダブルアウトでは、50点残りは強い戦術ではありません。
そもそも、インナーブルに入れるのが困難です。
しかも、もしアウターブルに入ると残り25点で1投でフィニッシュができなくなるからです。
ダブルアウトではアレンジが非常に重要
ブルが弱いダブルアウトでは、残りの点数が32点や40点が好まれます。
50点残しになった場合は、ブルを狙うのではなく、あえてS18に入れて32点する戦術もよくみられますね。
このように、フィニッシュの戦術が変わるのもダブルアウトの面白いところです。
オープンアウトとは?
補足説明になりますが、「オープンアウト」というルールも存在します。
オープンアウトは、フィニッシュに縛りがありません。
シングルナンバーでフィニッシュしても良い、ゆるめのルールです。
混乱しがちな「ハイアウト」
紹介した言葉に似ている「ハイアウト(High Out)」があります。
全くの別物なので、頭に入れておきましょう。
「ハイアウト」とは、ゼロワンゲームで100点以上の点数を1ラウンドでフィニッシュすることです。
- 残り132点をブル→ブル→D16で1ラウンドフィニッシュ
- 残り100点をブル→ブルで1ラウンドフィニッシュ
最低でも1回は高得点エリアに入れる必要があり、初心者には難しいです。
ハイアウトを達成した人がいたら、「ナイス、ハイアウト!」と声をかけてあげましょう。
マスターアウト・ダブルアウトを使うタイミング
マスターアウトとダブルアウトの基本についてお話ししました。
ここからは、これらのルールの使うタイミングを解説します。
ソフトダーツではマスターアウトかオープンアウトが多く採用されます。
特別な大会でない限りはダブルアウトは見かけません。
ちなみに、ハードダーツではダブルアウトが基本です。
では、普段ダーツをする時は、マスターアウトとオープンアウトのどちらを選べば良いのでしょうか。
結論、大会でもない限り、厳密なルールはないので自由に決めてOKです。
ただ、ある程度ダーツが上手くなると、マスターアウトが暗黙の了解のことが多いです。
シチュエーション別にタイミングを解説していきますね。
対人戦のルール
対人戦では、Bフライト(レーティング6)以上からマスターアウト前提の人が多い感覚があります。
先攻が有利なダーツですが、マスターアウトを取り入れると、後攻にも勝ちの目が出て面白いですよ。
逆に、初心者同士が無理にマスターアウトで戦うと、どちらもフィニッシュできない泥試合になりがちです。
上手くバランスを見ながら、マスターアウトとオープンアウトを取り入れてみてください。
対戦前にルールを決めておくと◎
初対戦の相手には、事前にルールを確認しておくのがベストです。
僕が初心者だった頃、初対戦の相手に頑張ってマスターアウトを狙っていました。
どうやら相手はマスターアウトの存在を知らなかったようで、「舐めプ」と勘違いされたことがありました。
楽しく対戦するためにも、初めて対戦する相手とはしっかりと事前確認を行ないましょう。
「マスターorオープンで対戦お願いします!」の一言あると良いね。
オンライン対戦のマスターアウト
オンライン対戦でも、Bフライト以上のレベルではマスターアウトを狙う人が多いです。
特に、80%スタッツを採用しているダーツライブでは、みんな積極的にマスターアウトを狙いますね。
間違ってシングルアウトした時には、カメラの前で手を合わせて「ごめん!」とジェスチャーをする人がいるくらいです。
オンライン対戦では、必ずマスターアウトで勝負する必要はなく、シングルアウトでも勝ちは勝ちです。
実戦を考えると、日頃からマスターアウトの癖をつけておくのもアリかなと思っています。
ワイワイ系のダーツバーのルール
ダーツバーでは店員さんが、お客さん同士で楽しめるようにバランスを見てハンデをつけることがあります。
女性はシングルアウトOK。男性はダブルアウト必須ね!
このようなバランス調整が行われることがありますね。
また、ワイワイ系のダーツバーだと、マスターアウト関連でローカルルールが存在するお店も。
例えば、シングルアウトをすると罰ゲームとして「テキーラ」、残り1点になると「イエーガー」を飲むお店を知っています。
無理をしない程度に楽しましょう(笑)
ダーツのフィニッシュのよくある質問
- 残り1点になった時はどうなるの?
-
マスターアウトやダブルアウトで、残り1点になった時は「バースト」になります。
そのラウンドの点数はノーカウントになり、相手に順番が回ります。
残り1点はシングルで上がっても良いと勘違いしている人もいますが、厳密にはルール違反です。
おまけ:ダブルインとは
ダブルアウト繋がりで、「ダブルイン」についても紹介します。
ダブルインは、ゼロワンの1投目はダブルから始めなくてはならない、というルールです。
ハードダーツの公式大会で、たまに使われるルールですが、難易度が非常に高い。
ダブルに入れるまで、いつまで経ってもゼロワンの点数が減らない鬼畜仕様です。
ヘタをすると何ラウンドも501点のままスタートしないこともあります。
ダブルインの戦略は?
ダブルインでは、基本的に1番点数の高いD20を狙います。
D20に1投目で入れば、夢の9ダーツが可能なのも魅力ですね。
D20の他にも、D17、インブルなら、9ダーツの可能性があります。
また、日本ではD16からスタートする選手も多いです。
9ダーツは狙えませんが、D16はアレンジでよく使われるので、自信があるプレーヤーが多いからです。
ダブルインルールでは、とにかくダブルに入れないと、話にならなりません。
得意なダブルからスタートするのも戦略の一つです。
ダーツの最難関ルール「ダブルイン+ダブルアウト」
ダブルインは、通常ダブルアウトと併用されることが多いです。
ダブルインとダブルアウトが組み合わさったルールは、ダーツの中でも最難関。
世界のトッププロですら苦戦することがあります。
そんな過酷なルールでも、ダーツ最速のフィニッシュ「9ダーツ」を達成した試合をご紹介。
北アイルランドのドーラン選手の9ダーツです。
ほんと、何回見ても凄すぎです…。
ハードダーツのダブルスではダブルインのルールが面白い!
実力差もひっくり返せる楽しいゲームになりますよ。
まとめ:マスターアウトとダブルアウト
以上、今回はダーツのマスターアウトとダブルアウトについて解説しました。
ダーツを始めたばかりの頃は、オープンアウトでダーツを楽しんでOKです。
慣れてきたら、これらのルールも取り入れると、より一層ダーツが楽しめますよ。
最後に今回の内容をまとめます。
- マスターアウトは、ダブル、トリプル、ブルで上がる
- ダブルアウトは、ダブルで上がる
- ソフトダーツではマスターアウトが主流
最後までお読みいただき、ありがとうございました!